ブレーキ周りの熱害
今回は、ブレーキ周りの熱害について書きますブレーキが一番高温になるのは、高速度から一気に減速する場合ですが、この時の温度上昇の量は、時間が短い為放熱が期待できないので、減速する量が同じなら、車の重量(運動エネルギー)とブレーキの熱容量により決まります。
つまり、ここ一発のブレーキの温度は、ブレーキ周りの熱容量で決まるのです。
ブレーキ周りの熱容量は通常はブレーキローターの熱容量が多くの割合を占めるので、この面においては、出来るだけ、大きくて厚いローターが有利です。
![]() 真中にフィンが有り、 空気が抜けるようになっている ベンチレーテッドディスク |
つぎに、減速の後、ブレーキを開放すると、次のブレーキングに備えて、大気との温度差によりブレーキの熱を発散する訳ですが、この場合、発散する速度は、ブレーキローターの表面積と、そこに流れる空気の量(風当たり)できまります。(ハブを通してホイルに逃げる熱は除く)
このため、表面積が大きく増えるベンチレーテッドディスクや、大型車両などに使われている、多版のローターは、とても有効です。
この時の放熱が充分では無いと、次の減速でさらに温度は上昇します。
温度が上昇すると、大気との温度差から、放熱量も増えるのでいずれバランスがとれて温度上昇は止まりますが、このバランス点の温度が高すぎると、車のいろいろな所にダメージが有るわけです。
まず、ローターですが、熱の為に歪みが出ますが、ハブにガッチリ固定されている為、力の逃げ場が無く歪みが固定されてしまいます。
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この対策としては、ハブとローターの間にベルハットと呼ばれる部品を使用し、これにローターがピンで固定されていて、左右方向に多少のガタが有る、フルフロートローターが有効です。
また、何度も高温にさらされたローターは表面にヒートクラックと呼ばれる、細かいヒビが入りますが、これがあまり進むと、ある日ローターがパックリと割れます。
さらに、ローターの温度上昇は、ブレーキ以外にもハブベアリングに影響を与えます。
ハブには、ローターが直接付いていますから、このローターが500度などになると、ハブベアリングのグリスなどは、大きなダメージを受ける事が予想されます。
この面でも、ローターとベルハットが分離されているフルフロートは、熱が伝わりにくい為に効果が有ります。
この他にも、ブレーキオイルのペーパーロックなども懸念されますが、それはまた後日書きます。

